日本では労働基準法により、一定期間以上勤務した労働者には、有給休暇が付与されることが定められている。しかし、実際に有給休暇を十分に取得できている労働者は少なく、国際的に見ても日本の有給休暇取得率は低い水準にある。なぜ、日本では有給休暇が取りづらいのだろうか。その背景には、日本企業特有の風潮や価値観がある。特に「休暇を取ると周りの人に迷惑をかける」という意識や、「長時間労働こそが美徳」といった価値観が未だに根強く、有給休暇の取得を阻む大きな要因となっている。
また、業界によっては、人手不足と業務量の多さが有給休暇の取得を阻んでいることもある。従業員が少ない状況では、一人ひとりの負担が大きくなり、休暇を取りたくても取れない状況に陥ってしまう。本来、人手を確保するのは会社側の役目だ。それにも関わらず、このように従業員に負荷を押し付けている現場は少なくない。有給休暇は、労働者の当然の権利であり、法律で保障されているものだ。ここを軽く見ていると、さらなる人手不足に陥ったり、従業員が心身を病んでしまったりと、何らかの悪影響が出てくるだろう。企業の運営の視点で見ても、有給休暇は重要なものだと認識するべきだといえる。
さらに、休暇で心身のリフレッシュやプライベートの充実を図ることで、人々はより生産性の高い仕事ができるようになる。有給休暇を積極的に取得できる環境を作ることは、労働者にとっても、企業にとってもメリットが大きいのだ。